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2020.01.15

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を見ました

 

凄く良かったです。
『スタンド・バイ・ミー』で何も感じない私が、物凄く心揺さぶられました。
物語は、9.11のアメリカ同時多発テロ事件で父親を亡くした11歳の息子のオスカーの成長の物語です。
以下はあらすじとネタばれになります。

父親のことが大好きだったオスカーはひどくショックを受け、父親と一緒に取り組み熱中していた大規模な調査探検「ニューヨークにあった幻の第6区」の調査探検を中断してしまいます。
父親の遺体はまだ見つかっていないのに、お葬式で空の棺を埋葬することに抵抗を感じたオスカーは、母親のことを拒絶し始めます。
父親に関係するものをクローゼットに集め、母親には見つからないように隠します。
その中には、事件の日、父親が何度も家に電話をかけた留守番電話の声もあります。
オスカーはわざわざ同じ型の電話を買って、家のものと摩り替えたのです。

父の死から1年後、まだ父のことが忘れられないオスカーは大声を出して当り散らします。
すると、クローゼットの上から青い花瓶が落ちてきて割れ、中から「ブラック」と書かれた封筒とその中には鍵がありました。
オスカーはこの鍵に、父親からの最後のメッセージが込められていると信じ、この鍵が合うものを探す為に、ニューヨーク中の「ブラック」さん、472人の一人ひとりを尋ねていく調査探検を始めました。

オスカーは、アスペルガー症候群を抱えていて、そのため執着やこだわりが強く、472人を尋ねて歩くのは大変なことでした。
地下鉄には乗れない、橋は渡らない、などなど。
しかし、ひょんなことから親しくなったおばあちゃんの家の間借り人のおじいさんと一緒に調査をすることになりました。
このおじいさん、実はオスカーの本当のおじいさんだったのです。
父親と同じ肩の動かし方などから、オスカーはそのことに気付きます。
おじいさんは途中で去っていき、オスカーは調査に行き詰ります。

そんな時、父親がオスカーに宛てたメッセージに印がつけられた新聞の裏に、もう一つ印の付いた電話番号を見つけます。
その番号にかけてみると、一番最初に尋ねた「ブラック」さんだったのです。
オスカーは無事、この鍵にある鍵穴を見つけることが出来ました。
しかしそれは、オスカーが期待したものではありませんでした。
その鍵は、「ブラック」さんのおじいさんの遺品で、銀行の貸金庫の鍵でした。
オスカーへのメッセージではありませんでした。

でも、感動したのはここからなのです。
なんと、母親が、オスカーのしていることに気付き、自分が前もって一人ひとりのブラックさんを訪ね歩き、「9.11で父親を亡くした子が尋ねてくるから話だけでも聞いてあげてくれ」とお願いしていたのです。
凄いと思いました。
だからみんなあんなに親切だったのです。
最後に、母親がその事実をオスカーに打ち明けます。
すると、不信感を抱いていた母親とも打ち解けることが出来ました。
最後の母親のくだりはびっくりしました。
自分のことを嫌いになっている息子のために、そこまでやるんだ、とびっくりしました。
すごく心に残る映画になりました。

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